リスニングが苦手な理由と克服法について

30年以上中学生・高校生を指導してきた経験から、多くの生徒がリスニング力に苦労している現状を目の当たりにしてきました。

しかし、リスニング力は英語の4技能の中でも最も難しい技能です。

リーディングは何度も読み返すことができますし、ライティングやスピーキングは自分の英語のレベルで対応できます。

しかし、リスニングは実生活では1回しか聞く機会がなく、話す人のアクセントや癖があります。

さらに、英語を前から理解することができないと、後戻りして意味を考えることができません。

つまり、自分でコントロールすることができないため、リスニングが苦手な中級者も多いのです。

私は究極の英語力はリスニング力だと考えます。

リスニングができるということは、語彙、文法、英文の内容、発音、状況把握を瞬時に行う能力だからです。

みなさんは赤ちゃんがどのように母語を取得するか考えたことがありますか?

まず、お母さんや周りの人が話す言葉を聞くことから始めます。

そして、音と意味を結びつけ、自分でも発音して確認します。

母語のリスニングに英語を聞いた時のような負荷を感じないのは、長い時間をかけてそのプロセスを通して言語習得を行なってきたからです。

母語獲得のように音を聞いて、自分でも繰り返すプロセスが重要です。

大人には無理だと考えるかもしれませんが、実はそうではありません。

正しい方法で学習することで、リスニング力は必ず向上します。

もちろん個人差はありますが、これから説明する方法で学んだ生徒が、リスニング力を強化した例を多く見てきました。

そしてリスニングができるようになると、英文を読むスピードも速くなり、スピーキングも飛躍的に伸びます。

したがって、英語力の向上にはリスニング力をつけることが不可欠です。

今回のブログでは、中高生がリスニング力を向上させるための具体的な対策を紹介します。

まず中高生がリスニングを苦手とする理由を明らかにし、その後、効果的な練習方法について詳しく説明します。

さらに当塾のようなオンライン英語塾の効果や、具体的なリスニング練習方法についても触れています。

リスニング力の向上は、英語力全体の向上に直結する重要なステップですし、英検や大学入試、将来の仕事や日常生活にも役立つスキルなので、ぜひ参考にしてください。

中学生・高校生がリスニングが苦手な理由

中高生がリスニングができない理由としては、以下のようなものがあると思います。

(1) 何を言っているのか何回聞いてもわからない。

(2) 単語は少し聞き取れるが、英文全体の意味が理解できない。

(3) 聞いているときは英単語や英文がわかっても内容が頭に残らない。

(4) 聞いた音が自分が思っていた単語や英文と違っている。

リスニング力向上に向けての具体的な対策

リスニング力向上のための対策を以下に箇条書きで記します。

(1) 何回聞いてもわからない場合

- スクリプトを確認し、語彙や文法を強化する。

(2) 単語は聞き取れるが全体の意味が理解できない場合

- スクリプトを確認し、文構造を学ぶ。

- スクリプトを音読し、シャドーイングで理解力を高める。

(3) 聞いた内容が頭に残らない場合

- シャドーイングやディクテーションでリテンション力を鍛える。

(4) 聞いた音が予想と異なる場合

- フォニックスで正しい発音を学び、音声変化を理解する。

リスニング力向上のために日ごとから意識すること

(1) 英語の正しい発音を把握する方法

フォニックスを意識して単語を覚えてみましょう。

フォニックスとは、英語の文字と音の関係を学ぶ方法です。

具体的には、文字や文字群(グラフェム)とその対応する音(フォネム)を結びつける学習法です。

例えば、「a」は単独で「ア」と発音することもありますが、「cake」のように「e」と組み合わせると「エイ」という長母音になります。

「c」は「k」の音を持ち、「ch」は「チ」の音を持ちます。

フォニックスを学ぶことで、文字の組み合わせから正しい発音を予測できるようになり、リスニング力も向上します。

(2) 音声変化を覚える

隣り合った単語の発音が変化する現象を理解しましょう。

例えば、「check it out」が「チェケラ」、「Let it go」が「レリゴー」に聞こえることがあります。

私自身も、ネイティブの発音の「I'll ask her」が「アラスカ」に聞こえた経験がありました。

また、「Take it easy」が「タケシ」に、「Now I can」が「ナオコ」に聞こえたこともあります。

これらの例では、隣り合う単語が自然な流れで発音されるため、音が変化し、聞き取りが難しくなることがあります。

このような音声変化を理解することで、リスニング力を向上させることができます。

(3) シャドーイングで英語をかたまりで前からとらえる

シャドーイングは、聞いた内容をそのまま復唱することで、リスニング力と発音を同時に鍛える方法です。

この方法は、英語のリズムやイントネーションを自然に身につけるのに役立ちます。

(4) リピーティング

リピーティングは、一度聞いた音声を発音する勉強法です。

聞こえてきた英文の発音やアクセント、スピードまでもをそっくりそのまま真似するのがポイントです。

(5) オーバーラッピング

オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながら英語の音声と同時に発音を行う学習法です。

お手本の音声と自分の声を重ねることで、自分の発音の違いに気づきやすいというメリットがあります。

(6) アプリを活用して英語を聴く時間を確保する方法

リスニング力の向上には、英語を聴く時間を十分に確保することが必要です。

アプリを活用することも、英語リスニングを上達させるポイントの一つです。

最近はアプリを通して、スクリプト付きの音声を手軽に聴くことができます。

リスニング力が中学生・高校生で必要な場面

英検®

英語の資格試験である英検®では、リスニングのセクションが重要な役割を果たします。

英検®2級のリスニング試験では、日常会話やニュースの一部などを聞き取り、その内容を理解する力が求められます。

英検®の公式サイトによると、2023年の英検®2級の合格率は約33%であり、多くの受験生がリスニングセクションで苦戦していることがわかります。

大学入試

多くの大学入試ではリスニング試験が含まれています。

2021年度から始まった大学入学共通テストでは、リスニングの配点がリーディングと同じ100点で、1対1の割合となっています。

文部科学省のデータによると、2023年度の共通テストのリスニング平均点は100点満点中約60点であり、多くの受験生がリスニングで高得点を取ることに苦労しています。

社会に出てから

仕事や日常生活で英語を使う場面が増えています。

ビジネスの場では、海外との取引や外国人とのコミュニケーションが求められることが多くなっています。

JETRO(日本貿易振興機構)の調査によると、2022年には日本企業の約50%が海外展開を行っており、その中で約30%が英語を主要なコミュニケーション手段として使用しています。

また、観光業やサービス業でも外国人観光客と接する機会が増えており、英語のリスニング力は不可欠です。

おすすめの参考書や問題集

以下ではリスニング力アップに向けて、おすすめの参考書や問題集を紹介します。

1. 単語・熟語集

・「ターゲット1400」(旺文社、リンク: ターゲット1400

・「ターゲット1900」(旺文社、リンク: ターゲット1900

・「英検準1級・2級・準2級 でる順パス単シリーズ」(旺文社、リンク: でる順パス単シリーズ

2. 文法・構文

・「メイントップ 総合英語」(山口書店、リンク: メイントップ 総合英語

3. 英検®関係

・英検準1級・2級・準2級 過去6回全問題集(旺文社、リンク: 英検過去6回全問題集/CD シリーズ

4. 大学入学共通テスト

・「英語[リスニング]の点数が面白いほどとれる本」(KADOKAWA)

・「英語リスニング プラチナルール」(KADOKAWA)

5. 高校入試

・「スーパーステップ 中学英文法―中学1~3年 基礎から受験まで」(くもん出版、リンク: スーパーステップ 中学英文法

・「最高水準問題集 中学英語リスニング」(文英堂、リンク: 最高水準問題集 中学英語リスニング

6. フォニックス

・「CD BOOK <フォニックス>できれいな英語の発音がおもしろいほど身につく本」(明日香出版社、リンク: <フォニックス>できれいな英語の発音がおもしろいほど身につく本

オンライン英語塾の効果について

当塾のようなオンライン英語塾を活用することで、独学するより効率的にリスニング力を伸ばすことが可能です。

その理由としては、以下の3点が挙げられます。

個別指導のメリット

当塾のようなオンライン英語塾では、生徒一人一人のニーズに合わせた指導が可能です。

個別指導は、生徒の強みや弱みを的確に把握し、最適な学習プランを提供することができます。

例えば、リスニング力に特化したプログラムを組むことで、短期間でリスニング力を向上させることができます。

個別指導では、リアルタイムでのフィードバックが可能であり、具体的な改善点をすぐに指摘してもらえるため、効率的な学習が実現します。

豊富なリソース

オンライン英語塾は、最新のリスニング教材やオンラインツールを活用できます。

これにより、生徒は自分のペースで学習を進めることができ、リスニング力を効果的に向上させることができます。

例えば、英語のニュース番組や映画、ポッドキャストなど、さまざまなリスニング素材を使って学習することで、実際の英語の使用状況に近い形でリスニング力を鍛えることができます。

柔軟な学習スケジュール

オンライン英語塾は、いつでもどこでも学習できる環境が整っています。

生徒は自分のスケジュールに合わせて学習を進めることができ、継続的な学習が可能です。

例えば、学校の授業や部活動、アルバイトなどで忙しい中高生でも、自分の空いた時間を利用してリスニング練習を行うことができます。

これにより、効率的にリスニング力を向上させることができます。

まとめ

リスニング力を向上させるためには、最初から諦めることなく、教材の質、練習不足などの問題点を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

英語の正しい発音を把握し、文法と単語力を強化し、聞き流しではなく積極的な練習を行うことで、リスニング力を効果的に向上させることができます。

また、オンライン英語塾を活用することで、個別指導や豊富なリソース、柔軟な学習スケジュールを活かし、リスニング力を効率的に鍛えることができます。

リスニング力の向上は、英検®や大学入試、社会でのコミュニケーションなど、多くの場面で役立ちます。

効果的なリスニング練習方法を取り入れ、継続的に学習することで、自信を持って英語を使えるようになることを目指しましょう。

投稿者プロフィール

EJ School
EJ School英検®対策のオンライン英語塾
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